「Excelの複雑な数式が覚えられない」 「大量のデータを前にして、どこから分析を始めればいいかわからない」 「グラフを作るだけで時間が過ぎてしまい、肝心の考察まで手が回らない」
そんな日々の業務の悩みを解決してくれる強力なツールが、Microsoft Excelに搭載されたAIアシスタント「Copilot in Excel」です。
この記事では、Copilot in Excelの基本機能から、初心者が最初につまずくポイントの解決策、そしてAIから精度の高い回答を引き出すための「指示出しのコツ」まで、徹底的に深掘りして解説します。単なるツールの紹介にとどまらず、実務で明日から使えるレベルのノウハウをお届けします。
Copilot in Excel とは?
Copilot in Excelは、自然言語(普段私たちが話す言葉)で指示を出すだけで、Excelが数式の作成、データの分析、グラフの生成、書式設定などを代行してくれる機能です。
従来の「ヘルプ機能」は使い方を検索するだけでしたが、Copilotは「実行」まで担います。まるで優秀なデータサイエンティストのアシスタントが隣に座っていて、あなたの指示通りに、あるいはあなた以上にデータを理解してExcel操作を行ってくれるイメージです。
基盤にはOpenAI社のGPT-4などの大規模言語モデル(LLM)が活用されており、Excel特有のデータ構造を理解できるように最適化されています。
Copilot in Excelの操作画面
利用できるExcelの種類:デスクトップ版とWeb版
Copilot in Excelは、以下のどちらの環境でも利用可能です。自分の使いやすい方を選びましょう。
Excel on the Web(ブラウザ版):
インストール不要で、EdgeやChromeなどのブラウザから利用します。最新機能がいち早く反映される傾向があり、動作も安定しています。
Excel デスクトップアプリ(Windows / Mac):
パソコンにインストールされているいつものExcelです。ただし、Microsoft 365のサブスクリプション版であり、最新の更新プログラムが適用されている必要があります(Office 2019や2021などの永続ライセンス版では使えません)。
どちらを使う場合でも、次に説明する「ファイルの保存場所」の条件は共通して必須です。デスクトップアプリで開く場合も、ファイル自体はクラウドにある必要があります。
ファイルの保存場所
ファイルは必ずクラウド上(OneDrive または SharePoint)に保存し、「自動保存」がオンになっている必要があります。
- × NG: デスクトップやローカルのドキュメントフォルダに保存されたファイル
- ○ OK: OneDrive上のフォルダや、Teamsのファイルタブにあるファイル
【なぜ?】 Copilotはクラウド上のサーバーで高度な処理を行うため、ファイル自体がクラウド環境からアクセスできる状態にある必要があるからです。
クラウドでの画面解説
今回は、クラウドでの画面解説をします。

【ホーム】タブから【Copilot】をクリックして選択します。

すると右側に、この様なウィンドが表示されます。詳細を見て行きます。

デフォルトで【Work】モードになっています。

【Web】に切り替えると、Webから検索することも出来ます。

右上の【三点】ボタンをクリックして選択します。
Work(ワーク)モード
探す場所: あなたの会社の内部データ(Microsoft 365のデータなど)。
- 対象:
- 受信したメール、チャットの履歴
- Outlookの予定表
- OneDriveやSharePoint内のWord、Excel、PowerPoint、PDFファイル
- できること:
- 「昨日の佐藤さんからのメールを要約して」
- 「来週の会議のスケジュールを教えて」
- 「『プロジェクトA』の企画書の内容に基づいて下書きを作って」
- 特徴: インターネットには出回っていない、「あなたとあなたの組織だけの情報」に基づいて回答します。セキュリティが確保された状態で動きます。
Web(ウェブ)モード
現在の状態: 画像ではこちらが紫色になっており、現在選択されている状態です。
探す場所: インターネット全体(GoogleやBingなどの検索エンジン)。
- 対象:
- 最新のニュース、株価、天気
- 一般的な知識、歴史、科学
- 競合他社の公開情報
- できること:
- 「今のドル円相場は?」
- 「最新のAIトレンドを教えて」
- 「京都のおすすめ観光スポットは?」
- 特徴: 社内データは見に行かず、ChatGPTなどのように**「世界中の公開情報」**から回答を作成します。
失敗しないための「1秒ルール」
この2つのモード、切り替えを忘れるとAIは途端にポンコツになってしまいます。
- ❌ Webモードで「私の明日の予定は?」と聞く → AI「あなたの予定はわかりませんが、一般的な明日の天気ならわかります」
- ❌ Workモードで「今日の東京の天気は?」と聞く → AI「社内のファイルには天気に関する情報が見当たりませんでした」
こんなすれ違いを防ぐために、質問する前に1秒だけ自分に問いかけてみてください。
「その答えは、社内にある? それともネットにある?」
これだけで、AIの回答精度は劇的に上がります。「Work」と「Web」、ぜひ意識して使い分けてみてください
https://www.yuka-hashimoto.online/7640/

すると、【自動】【クイック応答】【Thinking Deepr】と3種類表示されます。
画面右上のヘッダーエリアは、Copilot の『思考回路(どれくらい深く考えるか)』と
自動 (Auto)
~まずはこれ!AIにお任せのバランス型~
画面の説明: 「どのくらい長く考えるかを決定します」
これがデフォルト(初期設定)のモードです。 AIがあなたの質問内容を読み取り、「これは簡単な質問だな」とか「これは複雑な計算が必要だな」と自動的に判断してくれます。
- 特徴: 質問の難易度に合わせて、AIが自動でギアチェンジをしてくれます。
- おすすめの場面:
- とりあえず質問したい時
- 質問の難易度が自分でもよく分からない時
- 普段使いのほとんどのケース
「迷ったらまずはこれ」という万能モードです。
クイック応答 (Quick Response)
~スピード重視!サクサク進めたい時に~
画面の説明: 「すぐに回答します」
このモードは、AIの「深い思考(Reasoning)」を省略し、反射神経で答えるようなイメージです。待ち時間がほとんどなく、爆速でテキストが生成されます。
- 特徴: 待ち時間がゼロに近く、レスポンスが非常に高速です。ただし、複雑な論理パズルや数学などは間違える可能性があります。
- おすすめの場面:
- メールの返信作成: 謝罪文や定型文を作ってほしい時。
- 単純な翻訳: 英語の文章をサッと日本語にしたい時。
- アイデア出し: ブレストのために、質より量でたくさん案を出してほしい時。
- 要約: 長い文章を短くまとめさせたい時。
「じっくり考えなくていいから、とにかく早く答えが欲しい!」という時に最適です。
Think Deeper (深く考える)
~品質重視!難問を解くための本気モード~
画面の説明: 「より良い回答のために長く考えます」
これこそが最新AIの真骨頂です。AIは回答を出力する前に、内部で「思考プロセス(Chain of Thought)」を実行します。人間で言うところの「腕組みをして、じっくり構成を練ってから話し始める」状態です。
- 特徴: 回答までに数秒〜数十秒の「思考時間」が発生しますが、論理的な正確さや回答の質が格段に向上します。
- おすすめの場面:
- プログラミング: バグの原因特定や、複雑なコードの生成。
- 数学・論理問題: 複雑な計算や、ロジックが必要なクイズ。
- 高度な文章作成: 伏線回収が必要な小説の執筆や、説得力のある論文構成の作成。
- 複雑なタスク: 「条件Aかつ条件Bを満たしつつ、Cを除外してリスト化して」のような複雑な指示。
「時間はかかってもいいから、最高品質の答えが欲しい」という時は迷わずこのモードを選びましょう。
https://www.yuka-hashimoto.online/7640/
AI思考モード比較表
用途に合わせて最適なモードを選びましょう
| モード名 | 思考時間 | 回答の質 | 向いているタスク |
|---|---|---|---|
| 自動 | 可変 | バランス良 | 日常会話、一般的な調べ物 |
| クイック | 速い | 普通 | 要約、翻訳、メール作成 |
| Think Deeper | 遅い | 最高 | コーディング、数学、複雑な分析 |
『情報の探し場所(社内かネットか)』を切り替える、司令塔のような場所です。ここで適切なモードを選ぶことが、欲しい回答を正確に引き出すための第一歩です。このメニューを見かけたら、ぜひ自分の目的に合わせて切り替えてみてください。
https://www.yuka-hashimoto.online/7640/

上記をクリックすると、【エージェントモード】【画像作成】【その他のエージェントを探す】と表示されます。
【その他のエージェントを探す】を選択します。

すると、Copilot365と同じく【リサーチツール】や【アナリスト】が表示されます。

【+】プラスマークをクリックすると、【作業コンテンツの追加】・【画像ファイルのアップロード】【クラウドファイル添付】をすることが出来ます。
これらの画面を一旦確認するとよいでしょう。
データ形式:「テーブル」への変換
Copilotは、単なるセルの羅列ではなく、意味を持ったデータの塊である「テーブル」形式のデータしか認識できません。
【テーブル化の手順】
- データが入っている範囲を選択します。
- キーボードの【Ctrl】 +【T】 を押します(または「挿入」タブ>「テーブル」)。
- 「先頭行をテーブルの見出しとして使用する」にチェックを入れてOKを押します。

すると、この様に表が【テーブル化】します。
テーブル化することで、Excelは「1行目が項目名(ヘッダー)」で「2行目以降がデータ」であることを明確に認識します。Copilotは「A列」ではなく「売上列」といった意味のある単位でデータを扱えるようになります。

【テーブルデザイン】タブから、テーブルのデザイン一覧が表示されるので、気に入ったデザインを選択してください。
Copilot in Excel の主なテクニック
基本機能に加え、より便利に使いこなすための詳細なテクニックを紹介します。

まず、【エージェントモード】にしておきます。【エージェントモード】を使用すると、複雑な作業も実行してくれます。例)分析・実行・グラフ作成など、複数のタスクが同時可能になります。
逆に【チャットモード】は、列を追加してと指示を出したとしても、関数の式だけをチャットで説明してしまいます。【列】などを足す際は、注意しておきましょう。

又、入力欄の◎の箇所をクリックすると、【Web】モードをオンにしたり、オフにしたり出来ます。
職場の環境などで使用する際は、オフにしておきましょう。

【新規チャット】を追加したい時は、右上の緑のボタンをクリックすると、新規でチャットが開始されます。
数式列の生成
「利益率を計算して」といった指示で数式列を追加します。複雑な計算も、やりたいことを言葉にするだけで数式化されます。
「利益率を計算して」

この様に入力して、右下の緑のボタン、あるいは【Enter】キーをクリックします。

すると、この様に、Copilotエージェントモードが思考を始めます。

この様に、【利益】【利益率】の列が追加されたことが分かります。

数式を見てみると、【個数】と【単価】が掛け算されている事も分かります。
この位の式なら、手動で出来ますが、コパイロットの見せどころをここからです。コチラのプロンプトを実行します。
日付から、年度別で判定する列を作って、A1・A2・A3というカタチで表現して

この様にまとめます。すると、4月から開始する年度別に計算してくれます。数式バーを見てみると、かなりややこしい数式が入ってます。この様な際は、コパイロットのエージェントモードで数式を作って確認するとよいです。
Copilotは数式を作るだけでなく、「その数式の意味」も解説してくれます。「このIF関数はどういうロジックで動いているの?」と聞けば、引数の意味まで分解して教えてくれるため、数式が苦手な方の学習ツールとしても最適です。また、手入力で起こりがちな「カッコの閉じ忘れ」などの構文エラーを防げるのも大きなメリットです。
ハイライト・書式設定
「売上が平均以上のセルを赤くして」といった指示で、重要なデータを見やすく可視化します。単色の塗りつぶしだけでなく、値の大小をグラデーションで表現する「カラースケール(ヒートマップ)」も指示一つで適用可能です。
「売上の列に、値が高いほど緑、低いほど赤になるカラースケールを適用して」

すると、この様なヒートマップ図を作成してくれます。これでは見ずらいので別のプロンクトを指示してみましょう。一旦、【Ctrl】+【Z】で元に戻ります。
「売上の列に、値が高いほど薄い緑、低いほど濃い緑になるカラースケールを適用して」
次にこの様なプロンプトを実行します。
目標達成率を集計して、条件付き書式で100%以上のセルを緑、未満を赤にして

データ分析・インサイト
「このデータの傾向を教えて」と頼むと、AIがデータを多角的に分析し、グラフを作成して提案します。
「このデータの傾向を教えて」
AIがデータを多角的に分析し、グラフを作成して提案します。
Copilotが提案したグラフを追加する際、「新しいシート」にグラフを作成してくれます。ここが重要なポイントで、元のデータを誤って壊してしまう心配がありません。安心して「地域別の売上は?」「商品ごとの利益率は?」と次々に質問を投げかけ、分析を試行錯誤できます。
データの並べ替え・フィルター
「関東地方のデータだけ見せて」「利益の多い順に並べて」といった操作を行います。
単純なフィルターだけでなく、「売上が100万以上、かつ利益率が20%以上のデータだけ抽出して」といった複合条件も会話形式で実行できます。複雑なフィルタリング設定画面を開く手間が省け、思考を中断させずにデータを探索できます。
ピボットテーブルの作成
多くの人が「便利そうだけど使い方が難しい」と感じるピボットテーブルも、会話だけで一瞬で作成できます。

「地域別、商品カテゴリー別の売上合計を集計したピボットテーブルを作って」
従来は「行」「列」「値」のフィールドへ項目をドラッグ&ドロップして試行錯誤する必要がありましたが、Copilotなら「何と何を集計したいか」を伝えるだけです。AIが最適なレイアウトを判断し、新しいシートにピボットテーブルを作成してくれます。クロス集計の手間が劇的に減ります。
又、この場合、Copilot365にデータを読み込んで傾向を知るとよいです。具体的には下記を併せてご参照ください。

【悪いプロンプト vs 良いプロンプト】
- × 悪い例: 「このデータを分析して」
- (AIは何に注目すればいいかわからず、当たり障りのない回答になりがち)
- ○ 良い例: 「あなたは経理担当です。2023年度の経費データから、前年比で10%以上増えている項目を特定し、その理由として考えられる要素をコメント列として追加してください」
- (役割、ゴール、出力形式が明確なので、具体的で役立つ回答が得られる)
明日から使える活用事例
自分の業務でどう使えるかイメージしやすいよう、職種別の具体的な活用シーンを拡張しました。
営業・セールス
- 予実管理: 「予算に対する達成率を計算し、達成率80%未満の案件を赤くハイライトして」
- トレンド分析: 「過去3年間の売上推移から、来月の売上を予測するヒントはある?季節変動があれば教えて」
人事・総務
- アンケート分析: 「従業員満足度調査のフリーコメント欄を分析し、ネガティブな意見に多いキーワードを5つ抽出して」
- 勤怠管理: 「残業時間が月45時間を超えている社員を特定し、所属部署ごとの該当者数を集計したグラフを作って」
マーケティング
- キャンペーン分析: 「キャンペーンAとB、どちらのROI(投資対効果)が高いか比較し、費用対効果の推移を折れ線グラフにして」
- 顧客セグメント: 「購入金額が上位20%の顧客層(ロイヤルカスタマー)に共通する特徴(地域、年齢層など)を教えて」
よくあるトラブルと対処法
- Copilotボタンがグレーアウトして押せません。
-
最も多い原因は、ファイルがローカルにあるか、ファイル形式が古いです(.xlsなど)。ファイルをOneDrive/SharePointに移動し、拡張子を.xlsxにし、対象データを「テーブル」に変換してください。
- 数式が間違っている気がします
-
AIは非常に優秀ですが、時々「ハルシネーション(もっともらしい嘘)」をつくことがあります。特に複雑な計算の場合、提案された数式は必ず「数式バー」で確認し、意図通りかチェックする癖をつけましょう。AIは「責任者」ではなく「アシスタント」であることを忘れないでください。
- エラーが出て動きません
-
日本語の指示でエラーが出る場合、英語で指示するとうまくいくことがあります(例:「Sum sales by region」など)。また、結合セルが含まれているとエラーになりやすいので、テーブル内のセル結合は解除することをおすすめします。
まとめ
Copilot in Excelを導入することで、これまで時間をかけていた「数式作成」や「グラフ作成」といった手作業の時間を大幅に削減できます。
しかし、Copilotが真に価値を発揮するのは、空いた時間で人間が「データから何を読み解くか」「どう意思決定するか」という思考の部分に集中できるようになった時です。
まずは身近なデータを「テーブル化」し、右上のCopilotボタンを押して、「このデータから何がわかる?」と話しかけるところからスタートしてみましょう。その一言が、業務のあり方を大きく変える第一歩になるはずです。
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