Excelでは、バージョンが上がるごとに新しい関数が導入されています。今回は、2025年現在の、最新の関数、機能をご紹介します。
職 業:Excel作家、ExcelのYouTuber、Excel・Wordの講演
出身地:熊本県
職 業:Excel作家、ExcelのYouTuber、Excel・Wordの講演
著 書:Excel厳選テクニック本を出版 コチラから本が見れます
経 歴:民間、パソコンインストラクター、公的機関で勤務経験あり
Excel最新関数 2024
WRAPROWS関数とWRAPCOLS関数
ExcelのWRAPROWS関数とWRAPCOLS関数は、1次元のデータを複数の行または列に分割して表示するための強力なツールです。これにより、データの整理や視覚化が容易になります。本記事では、これらの関数の基本的な使い方と応用方法について詳しく解説します。
WRAPROWS関数とWRAPCOLS関数は、Microsoft Excel 2021およびMicrosoft 365で使用できます。
Excel関数の使い方
WRAPROWS関数とWRAPCOLS関数の構文
WRAPROWS関数とWRAPCOLS関数の引数
引数 | 説明 |
---|---|
ベクトル | 1行または1列に並べたい配列を指定します。 |
折り返し数 | 並べる対象としないデータを指定します。 |
空のセルの値 | 空いたセルに入れる値を指定します。省略すると エラー値[#N/A]が返されます。 |
WRAPROWS関数の使用例
=WRAPROWS(C3:L3, 3)
3列に分割して表示されます。足りない部分、ここでは、【D8】と【E8】は、既定値の #N/A で埋められます。
横1行のセル範囲を各行4列で折り返す。埋め文字は?
=WRAPROWS(C3:L3, 3,”***”)
最後の空のセルの値は、不足部分になるので、”***”で埋める事が出来ます。
WRAPCOLS関数の使用例
3行に分割して表示されます。足りない部分、ここでは、【F6】と【F7】は、既定値の #N/A で埋められます。
最後の空のセルの値は、不足部分になるので、”***”で埋める事が出来ます。
TAKE関数 DROP関数
TAKE関数
TAKE関数は、配列の先頭または末尾から、連続した指定の行数または列数の配列を返します。
①先頭の3行を取得
②末尾(右)の1列を取得
DROP関数
DROP関数は、配列の先頭または末尾から、指定した行数または列数を除外した配列を返します。
末尾の1列を除外する方法
=DROP(B5:D12,,-1)
「列」に指定された末尾1列(つまりD列)を除外したセル範囲を返します。
引数「行」は省略されているので全行が返されます。
CHOOSEROWS/CHOOSECOLS関数
CHOOSEROWS関数は、配列操作関数の一つです。配列から行を指定どおりに取り出します。
CHOOSEROWS 関数の構文
=CHOOSEROWS(配列, 行番号1, [行番号2], …)
※[ ]内の引数は省略可能
※「行番号」は 0 または配列内の行数を超えた場合 #VALUE! エラーを返します。
引数 | 説明 |
---|---|
配列 array | 配列(セル範囲)を指定【必須】 |
行番号1 row_num1 | 取り出す最初の行番号を指定[省略可能] |
行番号2 row_num2 | 追加で取り出す行番号を順番に指定 [省略可能] ※ 配列内の行数が指定できる最大数 |
※ 行番号は「0」及び配列内の行数を超えて指定することはできません。
CHOOSEROWS 関数の使用例
【部署別一覧表】の【2行目・3行目・5行目】を抽出したい際、
①【=CHOOSEROWS(B3:E11,2,3,5】と範囲選択して、残したい行番号を入れていきます。
②キーボードの【Enter】キーを押します。
すると、残したい行が、配列の中で抽出されます。
CHOOSECOLS関数
縦に、【部署】と【氏名】を抽出する時は、【CHOOSECOLS関数】が活躍します。
【部署別一覧表】の【2列目・3列目】を抽出したい際、CHOOSECOLS関数を使用します。
①【=CHOOSECOLS(B3:E11,2,3】の関数を挿入します。
②キーボードの【Enter】キーを押します。
この様に、【部署】と【氏名】が抽出されます。
EXPAND関数
EXPAND関数は、配列を指定された行と列のサイズに拡張した配列を返します。
配列の拡張される部分は埋め込む値を指定できます。
配列の行数を3から5に拡張し、拡張部分を”**”で埋める
=EXPAND(A1:B3,5,,””)
EXPAND関数はセル範囲A1:B3を受け取り、
引数に指定された行数5行に配列を拡張して返します。
拡張された部分は”**”で埋められます。
配列の列数を2から3に拡張し、拡張部分を”**”で埋める
=EXPAND(A1:B3,,3,”**”)
EXPAND関数はセル範囲A1:B3を受け取り、
引数に指定された列数3列に配列を拡張して返します。
拡張された部分は”**”で埋められます。
TEXTSPLIT関数
TEXTAFTER TEXTBEFORE
区切り文字の前または後ろにある部分文字列を取り出すTEXTBEFORE関数とTEXTAFTER関数の使い方を解説します。
この様な、メールアドレスがあります。ここでは、【@の前】をTEXTBEFORE関数で取り出します。
①【C3〜C11】を選択します。
②【数式バー】に=TEXTBEFORE(B3,”@”)と入力します。
③キーボードの【Ctrl】+【Enter】を押します。
すると、【@の前】のものが抽出されます。
@以降は?
@以降を抽出する時は、TEXTAFTER関数を使います。
①【C3〜C11】を選択します。
②【数式バー】に=TEXTAFTER (B3,”@”)と入力します。
③キーボードの【Ctrl】+【Enter】を押します。
この様に、【@の後ろ】が抽出されます。
VSTACK関数/ HSTACK関数
配列を縦方向(垂直方向)に順番に追加し、1つの大きな配列を作成して返します。
VSTACK関数は各配列引数を行単位で上から順に(つまり下に)追加して新しい配列を作成します。
この様な、氏名の性別一覧表があります。
①【H3】をアクティブセルにします。
②【数式バー】に、=VSTACK(B3:C6,E3:F6)と入力します。
=VSTACKを数式バーで選択して、2つの表を【Ctrl】キーを押しながらドラックします。
③【Enter】キーを押します。
この様に、2つの表が、1つになります。
下に、データを追加した際は、反映されません。
この様な際は、テーブル機能を使うと反映されます。
左が【テーブル1】、右が【テーブル2】と設定します。
①数式バーに【VSTACK関数】を挿入します。
②この状態で、【テーブル1】と【テーブル2】を選択します。
③【Enter】キーを押します。
①数式バーに【VSTACK関数】を挿入します。
②この状態で、【テーブル1】と【テーブル2】を選択します。
③【Enter】キーを押します。
テーブルにすると、この様に、新規のデータが反映されます。
※HSTACK関数は、横方向にデータが繋がります。
TOCOL関数/ TOROW関数
配列を縦1列に変換して新たな配列を返します。 TOCOL関数は、セル範囲や1次元または2次元の配列を受け取り、オプションで指定された順番で縦1列の配列を作成します。
この様に、【総務課】【企画課】【設計課】の三つのグループがあります。
この3つの課のリストを縦に並べていきます。
①【F3】セルをアクティブセルにします。
②【数式バー】に【=TOCOL(B3:D6】と入力します。関数を挿入して、範囲を選択します。
③【Enter】キーを押します。
すると、配列の中のデータが1列となります。
総務課の伊東さんが追加された際、同じやり方で、【Enter】キーを押すと、
この様に、空白の部分は0と表示されてしまいます。その回避方法を解説します。
【1空白を無視する】を選択します。
すると、この様に、空白の0を消す事が出来ます。
※TOROW関数は、行方向に、配列に展開されます。
まとめ
今回は、2025年の比較的新しい関数をご紹介しました。操作手順を確認して、作業効率化を図りましょう。
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