今回作成するのは、会社の中でよくある質問に答えてくれる
「社内業務サポートエージェント」です。
たとえば、社員が次のような質問をしたときに、社内規程や業務マニュアルをもとに回答してくれる仕組みを作ります。

有給休暇の申請方法を知りたい
経費精算の締切日はいつですか?
出張申請はどこから行いますか?
パソコンが故障したときは誰に連絡すればいいですか?
名刺を発注したい場合の手順を教えてください契約書の確認依頼はどの部署に出せばいいですか?
Copilot Studioでは、指示・ナレッジ・トピック・ツールを組み合わせることで、社内の業務に特化したAIエージェントを作成できます。
Microsoft公式ドキュメントでも、エージェントは指示、ナレッジ、トピック、ツールなどを使って、ユーザーの質問に回答したり、必要な処理を実行したりできると説明されています。
Copilot Studioで社内業務サポートエージェント
今回作るエージェントの完成イメージ
今回のゴールは、次のようなエージェントです。
作成するエージェント名
社内業務サポートエージェント
出来る事

| 業務領域 | 回答できる内容の例 |
|---|---|
| 人事・労務 | 勤怠、有給休暇、就業規則、在宅勤務ルール |
| 経理 | 経費精算、交通費、出張費、請求書処理 |
| 情報システム | PC、アカウント、Teams、Outlook、セキュリティ |
| 総務 | 備品申請、名刺発注、社内設備、郵送物 |
| 営業支援 | 提案書テンプレート、見積申請、契約書確認フロー |
利用シーン
社員がTeamsやWebチャット上で、
「交通費の精算はいつまでに出せばいいですか?」
と質問すると、エージェントが経費精算ガイドラインを参照し、

交通費の精算は、原則として利用月の翌月5営業日以内に申請してください。
申請は経費精算システムから行います。
のように回答します。
Copilot Studioで新しいエージェントを作成する
まずはCopilot Studioにアクセスし、新しいエージェントを作成します。

【その他のエージェント】を選択します。

画面中央部に【エージェント】を作成するとありますので、クリックして選択します。

すると、この様な画面が立ち上がります。
エージェントの名前と説明を設定する

入力欄の右下の【構成にスキップ】をクリックすると、

この様な画面が表示されます。コチラの画面に、エージェントの名前と説明を設定していきます。
社内業務サポートエージェント
社員からの人事、経理、総務、情報システム、営業支援に関する質問に対して、社内規程や業務マニュアルをもとに回答するエージェントです。

この様なカタチです。
説明文は、人間が見て分かりやすいだけでなく、エージェントの目的を整理する意味でも重要です。
モデルを選択する

利用できるモデルは、会社のMicrosoft 365環境や管理者設定によって異なります。
画面上で選択できるモデルから、社内の利用ポリシーに合ったものを選びます。
指示を設定する
ここがとても重要です。
指示とは、エージェントに対して、

- あなたは何の担当者なのか
- どの情報をもとに回答するのか
- 分からないときにどう答えるのか
- どのような口調で回答するのか
を伝える設定です。
Microsoft公式ドキュメントでも、指示はエージェントがどのリソースやツール、ナレッジ、トピックを使うかを判断するための中心的な設定だと説明されています。
指示の入力例

あなたは、会社の社内業務サポート担当です。
社員からの人事、経理、総務、情報システム、営業支援に関する質問に対して、登録された社内文書をもとに、正確で分かりやすく回答してください。
以下のルールに従って回答してください。
1. 社内規程、申請手順、業務ルールに関する質問には、ナレッジに登録された文書をもとに回答してください。
2. ナレッジに記載がない内容については、推測で回答せず、次のように案内してください。
「登録されている社内文書では確認できませんでした。担当部署へ確認してください。」
3. 人事・労務に関する質問は、「就業規則」「勤怠管理マニュアル」「在宅勤務ルール」を優先して確認してください。
4. 経費精算、交通費、出張費、請求書処理に関する質問は、「経費精算ガイドライン」「出張申請マニュアル」を優先して確認してください。
5. PC、アカウント、Microsoft 365、Teams、Outlook、セキュリティに関する質問は、「情報システム利用ガイドライン」を優先して確認してください。
6. 備品、名刺、郵送物、社内設備に関する質問は、「総務申請マニュアル」を優先して確認してください。
7. 営業資料、見積書、契約書確認、提案書テンプレートに関する質問は、「営業支援マニュアル」を優先して確認してください。
8. 回答は、丁寧で簡潔な日本語にしてください。
9. 必要に応じて、箇条書きや手順形式で回答してください。
10. 社内文書に根拠がある場合は、どの文書を参照したかが分かるように回答してください。
ナレッジを追加する
次に、エージェントが回答の根拠として使う文書を登録します。
ナレッジとは
ナレッジとは、エージェントが質問に答えるために参照する情報源です。
Copilot Studioでは、社内文書、SharePoint、Webサイト、Dataverse、外部システムなどをナレッジとして追加できます。Microsoft公式ドキュメントでも、ナレッジソースを追加することで、エージェントが社内外の情報をもとに回答できると説明されています。

登録する文書の例

利用シーン
社員がTeamsやWebチャット上で、
「交通費の精算はいつまでに出せばいいですか?」
と質問すると、エージェントが経費精算ガイドラインを参照し、
交通費の精算は、原則として利用月の翌月5営業日以内に申請してください。
申請は経費精算システムから行います。
のように回答します。
ナレッジを追加する
ナレッジとは
ナレッジとは、エージェントが質問に答えるために参照する情報源です。
Copilot Studioでは、社内文書、SharePoint、Webサイト、Dataverse、外部システムなどをナレッジとして追加できます。
操作画面イメージ


操作手順
エージェントの編集画面を開く
「ナレッジ」セクションを探す
「追加」をクリック
使用する情報源を選択するファイルまたはSharePointサイトを指定する
「エージェントに追加」をクリックする処理が完了するまで待つ
ファイルアップロードの例

運用上のおすすめ
一時的な検証であれば、ファイルを直接アップロードしても問題ありません。
ただし、実運用では SharePoint上の最新版ファイルをナレッジとして指定するのがおすすめです。
理由は、社内規程やマニュアルは定期的に更新されるためです。
例えば、ローカルPCから古いPDFをアップロードしてしまうと、エージェントが古いルールを回答してしまう可能性があります。
そのため、次のような構成が理想です。

SharePointをナレッジとして接続すると、組織内の情報を活用しながら、ユーザーの権限に応じた情報参照がしやすくなります。Copilot StudioのナレッジソースではSharePointなどの内部情報を利用できるとされています。
Web検索をオフにする
社内業務エージェントでは、Web検索をオフにすることをおすすめします。
なぜWeb検索をオフにするのか
社内ルールは会社ごとに異なります。
たとえば、
「交通費の上限はいくらですか?」
という質問に対して、一般的なWeb情報をもとに回答されると困ります。
会社の交通費ルールは、社内の経費精算ガイドラインに基づいて回答する必要があります。
トピックを作成する
次に、特定の質問が来たときに、決まった案内を返すための トピックを作成します。
トピックとは
トピックは、特定の会話パターンに対して、決められた流れで応答するための機能です。
通常のナレッジ回答は、AIが文書を検索して回答します。
一方でトピックは、

- 経費精算をしたい
- PCが壊れた
- 名刺を発注したい
- 入社手続きを確認したい
- 契約書を確認してほしい
のように、案内の流れを固定したい場合に便利です。
テストチャットで動作確認する
まずは、よく使われる「経費精算」のトピックを作成します。

有給休暇はいつまでに申請すればいいですか?

公開前のチェックリスト

□ エージェント名は分かりやすいか
□ 説明文に目的が明記されているか
□ 指示に役割とルールが書かれているか
□ ナレッジに正しい文書が登録されているか
□ 古い文書が混ざっていないか
□ Web検索が必要に応じてオフになっているか
□ 回答が社内ルールに基づいているか
□ 分からない場合に推測で答えていないか
□ トピックが正しく起動するか
□ TeamsやOutlook連携の権限に問題がないか
□ テストユーザーで動作確認したか
□ 公開範囲が適切か
最初に作るならおすすめの業務エージェント
最初から複雑なものを作る必要はありません。
まずは、次のようなシンプルなエージェントから始めるのがおすすめです。
| エージェント | 理由 |
|---|---|
| 社内FAQエージェント | 質問が多く、効果が分かりやすい |
| 経費精算エージェント | ルールが文書化されていることが多い |
| ITヘルプデスクエージェント | 定型問い合わせを減らしやすい |
| 人事労務エージェント | 就業規則や申請手順に基づきやすい |
| 総務申請エージェント | 備品・名刺・郵送など定型業務が多い |

まとめ
最初は、社内FAQや経費精算、IT問い合わせなど、文書化されていて質問が多い業務から始めるのがおすすめです。
特に重要なのは、エージェントに自由に答えさせるのではなく、
「社内文書をもとに回答する」「分からない場合は推測しない」というルールを明確にすることです。
これにより、社員が安心して使える、実務に役立つ社内AIエージェントを構築できます。




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