そんな風に思っていませんか?実は、いつも使っているExcelの標準機能だけで、クリック一つでデータが切り替わる、かっこいいダッシュボードが簡単に仕上がります。今回は、初心者の方が誰でもマネするだけで作れるように、手順を一つひとつ丁寧に解説していきます。この記事を読み終える頃には、皆さんもダッシュボードを自在に作成できるようになっているはずです。

橋本 由夏
Excel作家、ExcelのYouTuber、Excel・Wordの講演
出身地:熊本県
職 業:Excel作家、ExcelのYouTuber、Excel・Wordの講演
著 書:Excel厳選テクニック本を出版 コチラから本が見れます
経 歴:民間、パソコンインストラクター、公的機関で勤務経験あり
【Excel】超簡単ダッシュボード


完成版は上記の様になっています。
準備


最初に、この様な、ダッシュボードの土台となるExcelファイルを用意します。
(例:売上日、製品カテゴリー、売上額、限界利益、営業担当、支店名など)
シートの準備
元のデータが入っているシートの名前を「売上データ」に変更します。
新しいシートを2つ追加し、それぞれ「結果」「PIVOT」と名前を付けます。


表示倍率の調整




3つのシート全ての表示倍率を「70%」に設定します。こうすることで、ダッシュボード全体を見渡しやすくなります。画面右下の「100%」と表示されている部分をクリックして、ズーム設定画面で「70%」に変更します。
データを「テーブル」に変換
「売上データ」シートに戻り、データ範囲のどこかをクリックします。


キーボードの【Ctrl】+【T】をクリックします。すると、【テーブルの作成】ダイアルボックスが表示されます。
【先頭行をテーブルの見出しとして使用する】は、先頭行は見出しとなっているので、【チェック】を入れて、【OK】ボタンを押します。


すると、【表】がテーブルとなります。
グラフの素となる「ピボットテーブル」を作成


①表内をクリックします。
②【挿入】タブから【ピポットテーブル】をクリックして選択します。


【テーブルまたは範囲からのピポットテーブル】ダイアルボックスが表示されます。
【既存のワークシート】にチェックを入れて、PIVOTシートの【C2】セルをクリックして選択します。
【OK】ボタンを押します。
ピポットテーブルの基本は、下記の【ピポットテーブル完全攻略】をセットで確認してください。


右の、【ピポットテーブルの作業ウィンドウ】の中の売上をクリックすると、【値】の箇所に【合計/利益】が表示されます。


すると、【売上データー】の売上の合計が表示されます。


【合計/利益】内をクリックして、【ピポットテーブル分析】タブから【ピポットテーブル名】を【合計売上】にしておきます。


分かりやすい様に、【C1】セルにも、【合計売上】と入力しておきます。
ここから、必要な分析の数だけピボットテーブルを作成します。一つ目を作成したら、それをコピー&ペーストし、フィールドリストの項目をドラッグ&ドロップで入れ替えるだけで、効率的に複数の集計表を作成できます。
ピボットテーブルは、データの増減によって縦方向に表が伸び縮みすることがあります。そのため、新しいピボットテーブルは必ず横方向にスペースを空けて並べていきましょう。縦に並べてしまうと、データ更新時にお互いが干渉し、エラーの原因となります。
| ピボットテーブル名 | 行ラベル | 列ラベル | 値ラベル |
|---|---|---|---|
| 合計利益 | ナシ | ナシ | 利益 |
| 限界利益 | ナシ | ナシ | 限界利益 |
| 製品別売上 | 製品 | ナシ | 売上 |
| 部署別売上 | 部署 | ナシ | 売上 |
| 年度別売上 | 売上年 | ナシ | 売上 |
| カテゴリー別売上 | カテゴリー | ナシ | 売上 |
| 部署別担当売上 | 部署 | ナシ | 売上 |
各ピボットテーブルを作成したら、必ず固有の分かりやすい名前を付けておきましょう。これは後工程で魔法のようなインタラクティブ機能を実現するための非常に重要な伏線です。 ピボットテーブルを選択し、「ピボットテーブル分析」タブの左上にある「ピボットテーブル名」を、「PivotTable1」のような初期設定の名前から「合計利益」「限界利益」など、その内容が一目でわかる名前に変更します。
データを可視化!グラフを作成
集計しただけでは伝わりにくい数字も、グラフにすることで直感的に理解できるようになります。ピボットテーブルのデータを基に、「ピボットグラフ」を作成していきましょう。
製品別売上


①【製品別売上】ピポットテーブル内をクリックして選択します。
②【ピポットテーブル分析】タブをクリックします。
③【ピポットグラフ】をクリックします。


すると、【グラフの挿入】ダイアルボックスが表示されます。
【横棒グラフ】をクリックして、【OK】 ボタンを押します。


すると、この様な、横棒グラフが表示されます。


グラフ内に表示される「合計」や「凡例」などのボタンは、分析の際には便利ですが、ダッシュボード上では不要な情報です。ボタンを右クリックして「グラフの値フィールドボタンをすべて非表示にする」を選択し、見た目をスッキリさせます。


この様なカタチです。グラフ名を【製品別売上】と書き換えておきます。


グラフを切り取って【結果】のシートに貼り付けます。【G23】~【V33】に上記の様なカタチで、配置します。


①【グラフ】を選択して
②【デザイン】タブをクリックします。
③【色の変更▼】から【モノクロパレット4(青グラデーション、濃い色から淡色】をクリックします。
部門別売上


【G15】~【M23】に【部門別売上】を配置します。


①グラフをクリックして選択します。
②【デザイン】タブをクリックします。
③【クイックスタイル】から【スタイル2】を選択します。


【ラベル】をクリックして、【データラベルの書式設定】を【外部】にします。すると、【ラベル】が外部に移動します。


表題を【部門別売上】にして、配置を見やすくカスタマイズします。
カテゴリー別売上


【カテゴリー別売上】は、【グラフの挿入】から【レーダー】を選択します。


【N15】~【V22】の範囲内で【カテゴリー別売上】のグラフを配置します。
年度別売上


年度別売上は、【G6】~【M14】に配置します。


年度別売上は、【G6】~【V14】に配置します。
グラフ一覧表
| グラフ名 | グラフ種類 | グラフ配置 |
|---|---|---|
| 製品別売上 | 棒グラフ縦 | G23~V33 |
| 部門別売上 | 円グラフ | G5~V14 |
| カテゴリー別売上 | レーザー | N15~V22 |
| 年度別売上 | 棒グラフ縦 | G6~M14 |
| 部署別売上 | 円グラフ | N6~V14 |
グラフのカスタマイズ


グラフを選択し、【右クリック】の【グラフエリアの書式設定】から【角を丸くする】にチェックを入れます。


又、【グラフエリアの書式設定から】全てのグラフを【線なし】にします。


すると、この様にグラフが配置されます。
売上・利益・限界利益カードの作成


①【挿入】タブをクリックします。
②【図形▼】から【四角形:角を丸くする】をクリックして選択すると、マウスポインターが十字架になります。


【C5】から【E5】に配置します。


1つ図形が出来たら、【Ctrl】キーを押しながら、マウスで右にドラックして、3つ作成します。


グラフを3つ選択して、【図形の書式】タブから、【クイックスタイル】をクリックして、【光沢・水色・アクセント4】を選択します。


すると図形がこの様になります。
数値のリンク
金額を表示するためのテキストボックスを別途追加したら、そのテキストボックスを選択した状態で、数式バーに = と入力します。続けて、「PIVOT」シートの総売上ピボットに表示されている数値セルをクリックしてEnterキーを押します。これで、ピボットテーブルの数値が更新されると、ダッシュボード上の数値も自動で更新されるようになります。


【挿入】タブから【図形▼】の【テキストボックス】を選択すると、マウスポインターが十字架になります。


【=】イコールと入力します。


=PIVOT【C4】をクリックします。


直接セルを選ぶとGETPIVOTDATAという関数が自動入力され、意図通りに連携できないことがあります。その場合は、一度目的のセルのすぐ下のセル(例:C4)を選んでから、数式バーで手動で正しいセル番号(例:C3)に修正する、という方法を試してみてください。


書体を【MSPゴシック】でフォントの色は【白】、フォントの大きさは【28pt】を選択します。


上記のカタチで、【売上】【利益】【限界利益】を配置します。
「スライサー」を設置
「スライサー」という、視覚的で操作しやすいフィルター機能を設置し、クリック一つで全てのグラフが連動して動く仕組みを作り上げます。


①【ピポットテーブル】をクリックして選択します。
②【ピポットテーブル分析】タブを選択して【スライサーの挿入】をクリックします。


すると、【スライサーの挿入】ダイアルボックスが表示されます。
【売上年】、【売上月】、【カテゴリー】、【部署】、【部署担当】にチェックを入れ、【OK】ボタンを押します。


すると、【スライサー】が表示されます。


スライサーを選択して、切り取り、【ダッシュボード】のシートに貼り付けます。


上記の様に、見やすく配置します。「スライサー」タブから列数を変更したり、デザインの色を緑に統一したりして、見栄えを整えましょう。
レポートの接続


【スライサー】を右クリックすると、【レポートの接続】が表示されるので、クリックして選択します。


【レポートの接続】ダイアルボックスが表示されます。全てにチェックを入れて、【OK】ボタンを押します。


「カテゴリー別」スライサーと「部署別担当者売上」グラフの接続は、あえて外しておくとよいです。特定の担当者で絞り込んだ時に、担当者別売上グラフまで絞り込まれてしまうと、その担当者一人だけの棒グラフが表示されることになり、比較対象がなくグラフとしての意味が薄れてしまうからです。


この様なダッシュボードになります。
スライサーの装飾


【スライサー】タブから【クイックスタイル】をクリックして、【新しいスライサースタイル】を選択します。


すると、【新しいスライサースタイル】ダイアルボックスが表示されます。
【ヘッダー】を選択し、【書式】をクリックして選択します。


すると、【スライサーの要素の書式設定ダイアルボックス】が表示されます。【塗りつぶし】タブから【白】を選択して、【OK】ボタンを押します。


選択済アイテム(データあり)をクリックして、【書式】をクリックします。


【スライサーの要素の書式設定ダイアルボックス】が表示されます。【塗りつぶし】タブから【水色】を選択して、【OK】ボタンを押します。


マウスでPOINTされた選択済みアイテム(データあり)をクリックして、【書式】をクリックします。


【スライサーの要素の書式設定ダイアルボックス】が表示されます。【塗りつぶし】タブから【黄色】を選択して、【OK】ボタンを押します。


マウスでPOINTされた選択済みアイテム(データなし)をクリックして、【書式】をクリックして、【水色】を選びます。


新しい【スライサースタイル】が作成されるので、スライサーに適用します。


すると、この様にスライサーの書式設定が適用されます。
シート間をジャンプ ナビゲーション作成
最後に、アイコンをクリックするだけで各シートに瞬時に移動できる、ウェブサイトのようなナビゲーションメニューを作成します。これにより、Excelに不慣れな人でも直感的に操作できるファイルになります。


- 「挿入」→「図」→「アイコン」から、各シートの内容を象徴するような好きなアイコンを挿入します。


【ストック画像】ポップアップが表示されるので、【挿入】します。


すると、画像が挿入されます。


【アイコン】をクリックして、【グラフィックス形式】タブから【グラフィックスの塗りつぶし】を白にします。
するとアイコンが白くなります。


売上データーシートとPIVOTシートのアイコンを作成します。
リンクをかける


【アイコン】を右クリックして、【リンク】をクリックして、選択します。


【ハイパーリンクの挿入】ダイアルボックスが表示されます。
【このドキュメント内】から【結果】のシートをクリックして【OK】ボタンを押します。
【売上データー】と【PIVOT】にもリンクをかけます。
ナビゲーションパネルを別シートにコピー&ペースト




完成したナビゲーション部分(A列)を丸ごとコピーし、「データ」シートと「PIVOT」シートのA列にもそのまま貼り付ければ、全てのシートから自由に移動できる便利なナビゲーションの完成です。最後に背景を白にします。
まとめ
最初は少し手順が多く感じるかもしれませんが、一つひとつの作業はExcelの基本的な操作の組み合わせに過ぎません。このダッシュボード作成のスキルは、一度作り方を覚えてしまえば、売上データだけでなく、あらゆるビジネスデータの分析に応用が可能です。
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