Excel Copilotで仕事を進化

紹介記事の人物
橋本 由夏(はしもと ゆか)
Excelの作家(主に、フリーランスとして活動しています。)
著書:Excel厳選テクニック本を出版 コチラから本が見れます
職 業:Excel作家、ExcelのYouTuber、Excel・Wordの講演
出身地:熊本県
経 歴:民間、パソコンインストラクター、公的機関で勤務経験あり
Excel Copilotの全貌と可能性
Excel Copilotとは? ~AIが切り拓く業務効率化~
今回は、Microsoft(マイクロソフト)が開発した新しいAI(人工知能)搭載ツール「Excel Copilot(エクセル・コパイロット)」について、できるだけわかりやすく紹介します。
Excelは、表作成や数値管理に欠かせないソフトとして、多くの職場で使われています。
これまでは難しい関数を入力したり、細かいセル編集を繰り返したりする必要がありましたが、
「Excel Copilot」を使えば、右側にあるAIパネルで「この列を足し合わせて」「このデータをグラフ化して」など、日本語の指示をするだけで、AIが自動的に操作してくれます。
この技術の大きな特徴は、自然な言葉で伝えた指示をAIが正確に理解し、Excelで必要な機能や関数を瞬時に呼び出して処理できる点にあります。従来のように多くの時間や手間を要した作業を、素早くかつ正確に終わらせることができるのです。
さらに、WordやPowerPoint、Teamsなど、ほかのMicrosoft製品とも連携できるため、新しいツールを覚える手間なくAIの力を活用できます。いまビジネスの現場では、AIを使った業務効率化が広がっています。Excel Copilotは、その代表的な存在といえます。経理や総務などの手間のかかる作業も、数分、あるいは数秒で終えられるようになり、ミスや残業を減らす効果が期待できます。
現状の業務課題と生産性低下の悩み
多くの企業が抱えている「Excel作業の煩雑(はんざつ)さ」について考えてみます。Excelは便利で強力なツールですが、膨大なデータの入力や複雑な関数の扱いなど、一歩間違うと時間がかかりすぎたり、ミスを引き起こしやすくなったりする面もあります。
たとえば、データを手動で入力してはチェックを繰り返す作業や、参照セルの入力ミスによる誤計算は、どの会社でもよく聞く話です。また、一部の社員だけが高度なExcelの操作を知っていると、その人が不在のときに作業が止まる“属人化”が起こりやすいのも大きな課題です。
さらに近年は、リアルタイムで意思決定を行うために短時間でデータを分析する必要が高まっています。手作業だけではスピードも正確性も限界があるため、こうした課題を解決する手段としてAI技術の導入が注目されるのは当然の流れといえるでしょう。
Excel Copilotを使えば、たとえば「このデータの合計を出してグラフにして」というように指示するだけで、複雑な処理を自動化できます。人間の手による面倒な作業が減れば、クリエイティブな業務や戦略的な意思決定に時間を使えるようになり、会社全体の生産性向上に直結するのです。
Excel Copilotで具体的業務改善
基本操作解説 ~日本語指示で関数自動生成~
ココでは、関数が自動で作れるということをお見せします。


例えば、この様なExcelの画面があります。現在開いているExcelのシートの氏名の列には、名前が入っています。
ようく見てみると、氏名の前が半角であったり、全角であったりと、空白があります。この氏名の、頭をそろえるには、どんな関数を使えばいいか?中々分からない・・・・こんな経験はありませんか?
ご安心ください。Copilotを使用すれば、この悩みは即解決出来ます。


Copilotの空欄にこのような文面を打ち込み、キーボードの【Enter】キーを押します。
B列の氏名の先頭に空白があるので、空白を消してF行で表示させて


この様な、返答が返ってきました。TRIM関数を使用すると、よいわけですね!
このまま、【列の挿入】ボタンをクリックして選択します。


この様に、E列に、氏名が挿入されます。山本花子さんも、小林優子さんも、先頭の空白はありませんよね?
この様、先頭にある、全角・半角スペースを正しく識別して、氏名の先頭にある空白を除外しました。


関数を見てみると、TRIM関数が使われていることが分かります。


E列をコピーして、B列に値を貼り付ければ、氏名の先頭の空白はなくなりました。
フリガナ


次に、【フリガナ】が全角や、半角で入力されています。全角入力に統一したいですよね?
この場合も、Copilotを使用すれば、この悩みは即解決出来ます。


C列のフリガナを全角カタカナ・半角カタカナで記載されているものを、全角カタカナで、E列に表示して
この様な形で、Copilotの空白欄に入力します。


この様な、全角カタカナの、sampleが表示されました。【列の挿入】ボタンを押してみます。


E列が全角カタカナとなって表示されます。


LEFT関数が使われている様ですが、数式バーが大変なことになっています。これを手動で入力するのは大変ですよね?
他の関数でも処理できるのですが、その関数を調べるのも一苦労なので、表示されている形式を確認してから、値の貼り付けをした方が、処理速度は速いですよね?
この様に、関数の知識がなくてもやりたいことをあっという間に出来てしまうんです。
データ集計と分析
続いて、2つ目の事例になります。


このような、顧客別一覧表があります。ここでは、集計したデータを、強調したり、分類したりする手間も一苦労です。ご安心ください。Copilotを使用すれば、この悩みは即解決出来ます。
まず、販売価格と発注数から、売上を出して貰いましょう。


この様に入力します。あっ?どこに表示させたいか?記載してないですよね?


どうやら、Copilotが考えてくれて、G列に記載してくれるようです。【列の挿入】を押してみます。


Copilotが、【G列】に売上を出してくれました。数式バーで見ても、参照先はあっています。凄いですよね


では、このまま、上記の文字を入力します。


すると、Copilotがこの様に考えてくれました。同じく【列の挿入】ボタンを押します。


この様に、10万以上のモノは、文字が赤の太字となります。
この様に、Copilotと使うとあっという間に出来てしまうんです。
集計データのグラフ化
次の活用方法でグラフ化です。表のデータをグラフ化する際、縦軸と、横軸に手こずった経験はありませんか?
この悩みも、Copilotと使うとあっという間に出来てしまうんです。


この様な表があります。商品名の販売価格をグラフにしてみます。


この様に入力します。


すると、商品別の棒グラフが出てきました。【新しいシートに追加】ボタンをクリックして選択します。


新しいシートに集計した、ピポットテーブルと棒グラフが表示されます。
この様に、グラフの作成や、ピポットテーブルの作成も難しいExcelを使わなくとも、知識がなくても、日本語で入力してCopilotと使うとあっという間に出来てしまうんです。
データ操作
データの操作も、Copilotと使うとあっという間です。


この様に指示して


【適用】ボタンをクリックします。


結果を見ると、利益率が昇順に並びました。
シートをまたがる、データの操作
次いての活用術は、シートをまたがるデータの分析です。
皆さんの会社はどうですか?会社のデータって、1つのシートに全てが管理されている事はあまりないですよね?
Copilotであれば、複数のシートにまたがったデータでも、分析が簡単に出来ます。


このような、顧客別売上表があります。


又、別シートに【商品マスター】のシートがあります。
顧客別売上表の商品名を、商品マスターのシートを使用して、単価を出していきます。


顧客別売上表の商品の金額を、マスターシートから探し出して、F列に表示して
Copilotにこのような文章を入力します。


すると、この様な回答が返ってきました。XLOOKUP関数を使う様ですね。【列の挿入】をクリックして選択します。


すると、商品の金額がこの様に、シートに反映されます。
次に、ヤマダインテリアの商品名と金額を集計してと入力してきます。


すると、ヤマダインテリアの商品別合計金額と、分かりやすいグラフが、ピポットテーブルで新しいシートに作られました。
まとめ
この様に、Copilotを使えば、複数シートに管理されているデータも簡単に集計・分析・グラフ作成が出来ます。皆さんも、ぜひ、Copilotを使用してみてください。
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