Excelで表やリストのデータを一度にテキスト化したいことはありませんか?
例えば、支店ごとの売上データや在庫リストなどを一つの文字列にして報告書やメールに貼り付けたり、システムへのデータ入力に活用したりしたい場面、役立つのが「ARRAYTOTEXT(アレイトゥテキスト)関数」です。
ARRAYTOTEXT関数を使えば、複数のセルに入力されたデータを1つの文字列として取り扱えるようになります。面倒な手作業を省き、Excelの作業効率を向上させることができます。
この記事では、ARRAYTOTEXT関数の使い方を初心者にもわかりやすく解説します。基本的な使用法から、他の関数と組み合わせた応用例・実践例まで幅広くご紹介します。さらに、実際に手を動かして試せるExcelファイルのダウンロードリンクもご用意していますので、ぜひ活用してください。
紹介記事の人物
橋本 由夏(はしもと ゆか)
Excelの作家(主に、フリーランスとして活動しています。)
著書:Excel厳選テクニック本を出版 コチラから本が見れます
職 業:Excel作家、ExcelのYouTuber、Excel・Wordの講演
出身地:熊本県
経 歴:民間、パソコンインストラクター、公的機関で勤務経験あり
ARRAYTOTEXT関数とは?
ARRAYTOTEXT関数は、Excelで複数のセル範囲や配列のデータを1つのテキスト形式で取得する関数です。
複数の行や列にまたがるデータを一括でテキスト化することで、手作業でデータをコピーして貼り付ける手間を省くことができます。
主な特徴
- 複数のセルデータを文字列に変換できる。
- Excel 365およびExcel 2021以降で利用可能。
- 他の関数(TEXTJOIN、FILTER、XLOOKUPなど)と組み合わせて柔軟に活用できる。
書式
ARRAYTOTEXT(配列, [フォーマット])
- 配列:テキストに変換したいセル範囲や配列を指定します。
- フォーマット(省略可):
- 0(標準形式)※デフォルト
- 1(簡潔形式)
フォーマットを「1」に設定すると、余計な空白や改行が取り除かれ、シンプルな形で出力されます。
基本の使い方
例:支店別売上表をテキスト化
以下の表を例に説明します。
このデータが「A1:E30」に入力されている場合、次の数式で売上表をテキスト化できます。
数式例
=ARRAYTOTEXT(A1:E30)
これにより、売上表全体がテキストとして取得されます。
応用編①:TEXTJOIN関数と組み合わせる
ARRAYTOTEXT関数をTEXTJOIN関数と組み合わせることで、データをカンマ区切りで連結できます。
例:売上データをカンマで区切る
=TEXTJOIN(“, “, TRUE, ARRAYTOTEXT(A1:E30))
この数式では、「東京, PC, 100000, 5, 500000, …」のようにデータが連結されます。報告書やメールに貼り付ける際に便利です。
応用編②:FILTER関数と組み合わせる
FILTER関数を使えば、条件を満たすデータだけを抽出し、ARRAYTOTEXT関数でテキスト化できます。
例:30,000円以上の商品を抽出
=ARRAYTOTEXT(FILTER(A1:E30, C1:C30>30000))
この例では、価格が30,000円以上の商品だけが抽出され、テキスト化されます。フィルタリング条件を変えることで様々なデータを簡単に抽出できます。
実践編③:XLOOKUP関数と組み合わせる
XLOOKUP関数を使えば、特定の支店のデータを検索し、それをテキストとして取得できます。
例:東京支店の売上データを検索
=ARRAYTOTEXT(XLOOKUP(“東京”, A1:A30, B1:E30))
この数式では、「東京支店」の売上データを検索し、テキストとして出力します。XLOOKUP関数を使うことで、条件に一致するデータを柔軟に取得できます。
注意点
まとめ
ARRAYTOTEXT関数は、Excelで複数のセルデータを効率よくテキスト化するための便利な関数です。
FILTERやTEXTJOINなど他の関数と組み合わせることで、データの抽出や連結が簡単に行えます。ぜひダウンロードしたExcelファイルで実際に試してみてください。
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